蒼天の星

十二、球




 丸い球体。
 青い球体。
 丸くて青い球体が、私の下に浮かんでいる。
 上を向くと、異常なオレンジの色をした火の玉が見えた。
 火の玉は、ゆっくりと脈打っている。
 あの不自然に大きい火の玉は、太陽だ。
 五十億年間、生命を育んできた星。
 そして、今にもその生命を抹殺しようとしている星。
 私は、地球と太陽の間に浮かんでいた。
 私はなぜか、一人じゃなかった。
 左右を見渡すと、私のように浮かんでいる人間がたくさん見えた。
 私の腰にロープがつけられていて、それが両隣の人につながっていた。
 私は何をしようとしているんだろう。
『くるぞ』
 頭の中に声が響く。
『何がくるの』
 同じようにして問いかけた。
『みんな用意して』
 声は私の問いを無視して続けた。
『何を用意するの』
 その問いに答えるものはいなかった。
 上にある太陽が、急激に収縮していた。
『私は何をすればいいの?』
 太陽が暗くなる。
「私に何ができるっていうのっ!」
 目の前が真っ白になった。


.
創作時期 July 2001 改稿時期 April 2003

これは工房長co_metのオリジナルです。この作品の無断転載を禁じます。