神々の狂宴

第7話

『空間転移』

 空間を開く。
 真空に穿たれた穴。
 穴が俺を包む。

 俺が出現したのは、遠心力で重力の真似をしている部屋。
 やはり、重力制御は行われていなかった。
 あたりを見回す。
 ペダルとサドルのついた物。動力は電気らしい。
 ベルトコンベア。上に乗って走るのだろうか。
 総合的に判断すると、ここは、運動能力をきたえる部屋らしい。
 なんと原始的な。
 ドアをあける。
 狭い通路を通り、目的の部屋を目指す。
 歩いていると、前から、センスの理解できない服装の男がやってきた。その男は、俺に向かってなにか筒のようなものを突き付け、喋った。
「お前が艦長の言っていた侵入者かっ。おとなしくしろ1」
 俺の補助脳が、その初めて聞く言語を翻訳する。
 原始的な武器らしきもので俺の行動を制限しようとしている男に向かって、俺は相手の文明レベルを見るためにも、こう言う。
「こんなちんけな武器で、俺のことを拘束できると思っているのか?三秒待ってやる。撃ってみな」
「三、二、一、〇」
 相手は撃たなかった。武器を突き付けたまま動かないでいる。
「しょうがないな」
 俺は、手のひらを上にあげ、相手の左肩を指を指した。
 男の顔が苦痛に歪み、左腕がちぎれ飛んだ。腕は通路の壁にぶつかって落ちた。
 なんてもろい。
 男は残った右腕で、その武器を使用した。レーザーがほとばしったらしい。
 エネルギー効率の悪い武器だな。
 俺にそのレーザーは当たったが、この程度のエネルギーでは、服すらも焦げない。
 俺の背後に、男の救出に来たのか、たくさんの人間がやってきた。みなレーザー銃を構えている。
 一斉射撃。
 あまりにも原始的な武器。
 所詮、重力をあやつれないと、この程度なのか。
 俺は空間を彎曲させ、レーザー光を逸らしつつ、手のひらを下にした。
「重力変化」
 たくさんの人間が、地面に引き付けられるように膝から崩れ落ちた。
 体力だけはあるんだな。
 まだ、俺の力に耐えて、銃を撃ち続けているやつがいる。
 俺は手のひらを、まだ耐えているやつに向けた。
 そいつは、後方に吹っ飛んだ。
 俺は苦しんでいるやつを無視して、目的の部屋へ向かった。